牛ますく。

白峰ろいのだらだらブログ。

とある社畜のブログ。

珍しく治療家らしい記事

どうも、最近暗い記事かアホな記事しか書いてなかったのでたまには自分よくやった!といえる治療について書こうかと思います。

※プライバシーがあるので一部改変

患者さんは初めて来たという1人のおばあちゃん。
すごーく痩せて顔色も黒かった。青いを通り越した感じ。
最初は後輩が話を聞いてくれたんだけども途中から私にパスしてきた。
どうやら鍼をやりたいらしい。
揉むのは揉み返しがくるから少しでいいと。
滅多にしないんだけど何かあると私の直感が言っていたので他の先生の了承を得て悩みから先に聞くことに。

どうやらそのおばあちゃん、1ヶ月ろくな食事がとれないのだそう。
その日も、朝スプーン一杯の蜂蜜だけ。
さらに詳しく聞くことにした。
食欲はある。
美味しいものを見ると美味しそうって思うし食べたいな〜と思う。
普通にお腹も空く。
だけど食べると胃が受け付けない。戻してしまう。
水分も同様。

それが1ヶ月。
人間にとって、こんなにつらいことがあっていいのか。
食欲不振よりつらいことですよ。これは。


しかも来週旅行の予定が元々あったんだけど「食べられないなら、旅行に行く必要がないから他の人に譲ろうと思うの」って静かに寂しそうに笑うもんだからなんとかしたい!って気持ちが先行してそのおばあちゃんの手を握って、私ができること、すべてお手伝いさせていただきます!と勝手に口が喋っていた。

治療開始。私は知識が多い方ではないのでざっくり説明しますね。
まずは先程言った通り顔色は黒い。
水分をほぼ取っていないが尿は通常通り出る。
舌は歯痕舌といって簡単に説明するとちょっとぶよぶよに肥大した舌に歯型がくっきりとついてる状態。
体力低下、水分代謝の悪さ、胃の不調等が読み取れるのね。
脈もすごく元気がない、水分代謝がほぼできてないんじゃないかってぐらい。
これは書くのが難しいのでほんとにざっくり^q^ごめんなさい

胃の後ろもすごく硬い。
最悪胃がんだと思った。検査(胃カメラ)したのは30年前らしい。内科には行ったけど胃薬しかもらえなかったと。
足も氷なんじゃないかってぐらい冷たい。これも食べれなくなってからなんだそう。

更に上司に時間を頂いて東洋治療をすることに。
ウチはスポーツ鍼灸だから時間のかかる東洋はスタッフから嫌われてる。
だけど今回ばかりは症状をきいた全スタッフができることを時間がかかってもいいからやってくださいと言ってくれた。

まずうつ伏せで胃の後ろを柔らかくする。食べてないせいで体に負担はかけられなかった。
幸い温めて鍼をすることで緩和。

次に仰向けでお腹と腕と、足に鍼と赤外線。
その前に腹診とかもやってるけど割愛。

最中でボコッとお腹が動いた。
しばらく置鍼をして抜いた後もう一度脈を見る。
元気が少し戻った。
その日は様子を見てもらうために終わらせて普段通り生活してもらった。

そして1週間後、その方がやってきた。
私の手には緊張が走っていた。
でも受付をしてる姿を見て安心した事があった。
顔色がほんのりピンクになってる。
マッサージで最初に血流を良くすることにした。これも院の人に私が担当していいですか!って言って無理矢理入らせてもらった。

○○さんどうぞ中へ、そう私が声をかけた瞬間、おばあちゃんの表情がパッと明るくなった。

「おかげさまで、あの日から物が食べられるんです」

開口一言目がこれだった。
施術を始める前に涙が出そうになる。
鍼師をしてもうすぐ2年、一番嬉しい瞬間だった。
胃が弱ってるので少しずつだったけれど今は以前と変わらないぐらい食べられてるらしい。水も飲める。

「ここにきて、先生に会えてよかった」

そう言ってくださった。いや、怖かっただろうに私に任せてくれたそのことの方が感謝の気持ちでいっぱいです、と返した。

脈はまだ少し弱いものの以前と比べたら全然良くなっていた。
足を触るとフワッと暖かい。
「あれから冷えなくなったのよ」と言ってくださった。
お腹をマッサージすると動く動く!
嬉しくなってしまいました。

そして最後に、「私、旅行に行こうと思うの」と楽しげに話してくださった。
施術者として、これ以上の幸せはございません。

笑顔でいってらっしゃい、無理はなさらず。と言って帰しました。帰り際目の前で水分を摂っている姿も見せていただいて嬉しかった。
1日蜂蜜三杯しか飲めなかった生活。どんなにつらかったか。

あとで受付の方も「○○さんなんだか顔色が良くなったみたいですね」と言っていた。

次は旅行帰りに、いい報告が聞けるのを待つばかりです。


これからもこんな治療ができる人になりたいですね。
久々の真面目記事でした。
ここまでの長文読んでくださってありがとうございました!

では(*・∀-*)ノ